アナタだけのお姫様


 最初の宣言どおり、侑也は何もしてこなかった。


 ただ、ずっと頭を撫でたり、マドレーヌ食べたり、紅茶すすったり……。

 
 まぁ、時々頬にキスはされたりしたけど……。


 でも絶対口にはしてこなかった。


「どうして唇にしないの?」


「えっ? してほしいって事?」


「……ちげーわ! いつも頬だなって思っただけだし」


「やー、口とか失礼でしょ? 許しを貰ってからするものなのだ!」


「頬も十分失礼だろ」


「おー、それも一理あるね」