アナタだけのお姫様


「へ、ヘンタイ野朗」


「はいはいお姫様」


「そうだよ! お姫様なの!! ひなだけの……お姫様で居たかったのに……」



 引越しまであと数日しかないのに……強くなろうって決めたのに。



 どうして心って、こんなにもろいんだろう?


 どうして兄妹なんかになっちゃったんだろう?



 ずっと隣で微笑んでいたかったのに。


「落ち着くまでそばに居るから」