アナタだけのお姫様


「言ってみ?」



「ひなが……ひながさぁっ……」


 思い出したら、また泣けてきた。


 ボロボロと頬を伝う涙を、侑也はじっと見つめてくる。



 ――何を思ってる?


「ひながっ、へ、部屋に女をっ連れ込んだ」


 兄妹だからそこまで干渉しなくてもって、思ってる?


 バカだろって、思ってる?



「ん……どうして分かったの? 連れ込んでるって」



「だってさ、靴……靴もあったんだよ! それにねっ、えっちしてる時みたいな声が聞こえたんだもん!!」


「うん、うん」