アナタだけのお姫様


 侑也はあったかそうなブルゾンを脱ぎ、あたしの肩にそっとかけてくれた。


「これ着てて。それより何があった? ――あぁ、いや。ここじゃ寒いか。どっかカフェでも行こ」


 自然にあたしの手を引いてくれる侑也が凄い大きく感じた。


 まるで、ひなみたいで……


 こんな時でもひなと侑也を重ねてるのってなんなんだろう?


「でもバイク置いていくの?」


「あー、そうだなさすがにひよこんちの前はマズいよな」


「バイクで行こうよ」


「風邪引くって」



 既に引いてるし、もういいんだ別に。