アナタだけのお姫様


「あ、わりぃ」


「何が?」


「母親亡くなったんだろ? 前に日向から聞いた」


「大分前だし……それにもう大丈夫」


「……そんな顔されても、平気って伝わってこないんだけど」


 あたしそんなに笑うのヘタ!?


 心の奥底の気持ちって隠しきれないのかな……


「空元気はいらないからさ」


「誰が――っ」


 言いかけたところで、口を手で塞がれてしまった。