アナタだけのお姫様


「あたしにとっては凄い重要なんだけど」


「兄離れする良い機会じゃん」


 クソ親父と同じ事言うなよ!!

 
「ひよこさん、いいですか? 時代は流れていくのです。いつまでも良い思い出に浸っていてはいけません」


 侑也は左手を胸に当て、演劇をするかの様な仕草をして見せた。


「……何その喋り方」


「俺の母親の真似ですよ」


「聖母マリアを想像させるなソレは」


「口うるさいんだけどねー」


 ママか……いいなぁ、生きてるだけで十分いいって。