アナタだけのお姫様


「あっ、日和ほら、ツリーが綺麗だよ!」


「……本当だ」


 午後五時を過ぎたからだろう、ツリーが綺麗にライトアップされていた。


 ツリーの後ろのほうに見えるレインボーブリッジを渡る車のライトでさえ、手助けしている様。



 それにキラキラ輝く中で、幸せそうなカップルばかりが目につく。

 
「ね、写真撮ってもらおう」


「いらない!」


「……どうして今日はそんなに怒ってばかりなの? せっかくのクリスマスなのに」