アナタだけのお姫様



「お待たせー!!」



 下へ行くと、ひながドアを開けて待っていてくれてた。


 枯れ葉が舞い、外は木枯らしが吹いてる。


 そんな景色をバックにした彼は、悲しみを帯びた王子みたい。

 
「はい、荷物貸して」


「あいよっ」


 あたしから受け取ったバッグを、ひなは自転車の前かごに入れる。