アナタだけのお姫様


 すっごい嬉しそうな陽子ちゃんの顔なんて、見たくないよ。



 あたしは通り過ぎてゆく景色を眺め、二人の会話を一生懸命遮断していた。


「到着致しました」


 いつもならお手伝いさんにドアを開けてもらうけど、自分で勝手に下りる。


 ――怒られちゃったけど。


「はい、ひよ。手繋ご?」


「うん」

 
 ぎゅっと手を握り合うあたし達を見て、陽子ちゃんは不思議そうな顔をしている。