「あぁ…わりぃ」 目の前には今年度赴任してきたばかりっぽい見慣れない先生がいた。 なんかいきなりのことでびっくりしていつまでも立てないでいた。 「おい、大丈夫か?」 そう言って、先生は自分の手を出した。 「掴まれよ。立たせてやるから」 私は俯きながら先生の手を掴んだ。 立つと、ズキンと腰が痛んだ。 「痛いとこある?」 「あ…えっと…無いです…」 思わず無いと言ってしまった。 「そうか。ならよかった。気をつけて帰れよ」 先生はふらふら〜と手を振りながらその場からいなくなった。