叶わぬ恋だとしても。



そういうとこが嫌だった。

私と真っ正面からぶつかろうとせずにいつも逃げてばかりのくせに、すぐに人に助けを求める。

「先生には…関係ないから…」

「…」

2人して黙り込んでしまった。

「矢田先生のどこが嫌い?」

「全部」

「全部って…そりゃ失礼だろ」

「生理的に無理なの!先生には関係ないっ」

むきになっちゃった…。

先生に合わせる顔がなくて、勢いよく教科室を飛び出した。

先生が後ろからなにか言ってるのはわかったけど、なにを言ってるかまでは聞き取れなかった。

私はとにかく走った。

学校を出ると、空はもう暗くなり始めていた。