その日の授業は2年生の復習。

簡単な計算問題から頭を使う応用問題まで、出題範囲は広かった。

「河内〜これ解け」

私に突き付けられた問題はすごく難しい文章問題だった。

「今まで習ったことを駆使すりゃぁ解けるからな〜」
…無理。

「瑠璃ぃ…」

私は小声で瑠璃に話しかけた。

「…わかる?」

瑠璃が呆れた表情をしながら私に説明しようとした。

その時。

「河内〜。なーにちゃっかり答え聞こうとしてんだよ」

カンニング?が先生にバレた。

私は顔を上げることができなかった。

「ごめんなさいは?」

と先生が言い終わると同時に授業の終わるを告げるチャイムが鳴った。

助かったぁ〜と思って顔を上げると、今にもため息をつきそうな先生がいた。

「放課後、数学教科室来い」

険しい顔で言われてしまった。

その顔が…あまりにも真剣で私は上げた顔をまた下げた。