――――――

 「俺と結婚したら、ホテルで住もう」

彼は膝をついて手を差し伸べた。

 「うん。なんかパンプ、執事みたい」

私はギュッと手を取った。
 「ハ…アホ」

彼はギュッと私の手を握り返した。

 
 「執事がいいなら一生執事でいるぞ…?」
そういった彼の目は本気で、私は涙を流した

 「パンプが執事だったら、お嬢様は苦労するわね」

 「アホ。お嬢様はお前だけだ」

 「フフフ・・・私、将来はね。草原だけの家に住みたい」

 「え?」

草原だけが周りにあって

公園も

スーパーもなんにもないの

家は豪邸で目立つピンクがいい。
屋根のてっぺんにはイルカを作るの

私とパンプが出合ったときの大切なものだから


――――――

 「ねえ。この曲知ってる?」

 「え~?」

 「鈴がなるよ、出ておいでー♪」

 「知ってる知ってる!確かね~…パンプが愛妻の事を思って歌った曲でしょ?
超キレイだよね。あれからルジル・ランドが歌いなおしたんだ。

で、パンプが歌ったCDは発売しなくなった。そのアルバムは幻となったんだって。
でもまだいまも、曲残ってるらしいよ。必ず10月2日にライラに流れるの。

歌うのは“元、国の王女”なんだって。たしか歌手名は“ラヴ”で、ラブは姿を見せずに歌う歌手だったんだって。

その後、2人はなくなったんだけど、娘のアンが二人の音楽の才能を受け継いで、歌手として今人気なんだ。
えーと…教科書に載ってた!たしか曲名は・・・」









      『レディ・ラヴ』



~いつかー…私とあなたの幸せを祈り、その願いがかなうように―…~



          END