私を愛して

リナス王国の王位継承者。

それもたった一人の!


だから国が襲われちゃうのよね。


今まで勝ってはいたんだけど、とうとうパパが負けちゃった。
今回の戦争でうちの兵は全滅に近い状態。とうとう負けを認めた。

で、この国の…何とか家の息子と結婚すれば、パパと国を助けてくれるって。


そのせいで私は…はい、人形扱い。


パパは泣いてた。

国民も泣いてた。


別に泣いたってどうにもならないのにね。


ママは小さいときに亡くなり…

今は童話でよくいる意地悪なおばさんが私の母親代わりだ。


ろくに話したこともない、母親といえない人は



まるで氷の女王だった。


 「この部屋がプリンセスの部屋です。ここは今、仮の部屋です。プリンセスの本来の部屋は今、改装中ですので…失礼します」

 「ありがとう」

メイドが開けた扉の中は


ベッドはシングル。

カーテンもなく、歩くたびきしむ床。

ライラのベッドは座るとはねることはなく、ギシッとふるい音を鳴らすだけだった。

品のない木の扉も


2mくらいしか高さがない。


タンスも貧相な茶色。



これが…王国の外の国…。

真っ白じゃなくて茶色い壁!



自由!


木の匂いは自由の匂い!




 「…フフッ」


私は扉をちょっとだけ開け、外をのぞいた。