「…まさか。わが国の陛下…というのは、私の父ですが…
父がロシアフィー家と親しく、信頼があるので…ということですわ」
マロンはするどい三角の目がねの中から、眼を光らせて私を見ていたが、ホッとしたように、肩の力を抜いた。
「では、最後の質問です。プリンセス、我が国の第一印象は?」
…印象?
「ここは…朝の礼拝もないし、自由に寝て、自由におきれる…自由にご飯も食べれるし、一日何回も家を出る事が出来る。
…自由です。ただ、自由があります。一目で気に入りました」
そう。
私が求めてきたのは自由。
ただ自由になりたい!
~それでは、プリンセスは自室へと戻りますので、皆様失礼します~
終わったぁ・・・
たった30分でも束縛されてずっと写真を取られ続けたら
そらプリンセスも嫌になるって。
お腹すいた!
足が痛い!
腰が痛い!
まさか、会見のあと社交界まであって踊らされるなんて!
マロンもちょっとは私の体力も考えてほしいよ!
あ、こんにちは。挨拶が遅れました。
私の名前は皆様ご存知の通り、ラヴ・シュテファン・フォン・アリーナ。



