私はスクッとたち上がると、右の方へと歩いた。
「っ…家出娘!!いつまで付いてくる気だ!!」
ぴたっと止まるパンプの背中に私は激突した。
…人に当たるって痛いわね…
「だってわたし、泊まる所がないんだもの。ルジルが今日は泊まることには困らないといってくれたのに、あなたが追い出したのよ」
鼻いたぁい。
なんで急に止まるのかしら。
「っ……!勝手にしやがれ!!」
彼はそういうと、ズカズカと歩いていった。
それに必死に私はついていった。
――――――
「おい、家出娘。何する気なんだ」
「寝る所を掃除しているの」
「俺のベッド…」
わたしは枕をポンポンと叩く。
やだ、ホコリがすごい!
ここはカレの家。
今日は結局泊めてもらうことにした。
なんたって女の子一人で野宿には出来ないって。
「早く寝ろよ」
「…私、ライラにきたら、遊園地に行くって決めてたの。
じぇっとこーすたーとかに乗ってみたいのよ…めりーごうらんど…も…」
「フッ…なんじゃそら」
目に思い浮かべるだけで体が動き出しそうー…
風船を持って、ピョンピョン駆け回るのよ。
何回も同じものに乗ってみたり、こーひーかっぷものりたい。
横にはかならずパンプがいて、手を引いて振り回すの
そして・・・パンプにボールを買ってもらうのよー…
なぜボールかはわかんないのだけれど
…ボールが良いのよ。
パンプと一緒に夢のボール投げをするの。
パンプから貰ったものはきっと大切なものになる。
私はそんなことを考えてる間に、寝てしまった。



