ルジルの顔がどんどん近づいてくる。
え…



え…


え…!

っやだ…!

 「ハァ…ハッ…。ハァイ、家出娘さん。狼君には気をつけな。
喰われてしまったらもう後には引けないぞ…っ。
お、ハァイ!My.ルジル

 狼の気分はどうだい。

…相手にするならクラブの女にしな」

背後から彼は、私を抱き寄せた。
熱く、荒れている彼の吐息が耳にかかるたび、ドキドキする。

 「パンプ!…っなんだよ!お前なんかもうしらねぇよ!ハン!」

 「俺もお前の事なんかしらねぇな!!フン!」

ルジルがどこかに言ってしまうと、彼は私を突き放すように離した。


なんだったの?


今の




ゴミでも付いてたかしら。


 私は小さいバッグから手鏡を取り出し、自分の顔を見た。


あ!


ちょっと待って…


パンプとルジルは別々の方向へと、行ってしまう。



どっちを追いかけたらいいのかしら。



寝床は困らないってルジルがいってくれたのに


これじゃ私、野宿じゃない!!


そんなの楽しいのかしら・・・

寒そうよ!!


どっちについていこうかしら。



やっぱり・・・