「あはは!君おもしろいね!」
ふくれっつらの私の横で大きく笑うルジル。
何で笑ってるのかしら。わかんない。
だって、噴水って始めてなんだもの。
子供みたいに追っちゃいけないの?
「だって追わない?水」
「誰も追わないよ!」
ルジルは腹を抱えて笑う。
何よ…いいじゃない、王国にはないんだから。
私はもっと頬を膨らす。
「…ねぇ。パンプっていつもあんなカリカリしてるのかしら…」
「あいつは一応良い奴だよ。ただ怒りっぽいだけさ」
前にあったベンチにルジルは座ると、私を手招きして呼んだ。
私は彼の隣に座った。
「私、そんな怒らなくてもいいと思うわ」
あんな良い曲を作るのよ?
あの人がもっと誰にでも優しければいいのに!
「そのさ。わたくしってやめようぜ!堅苦しい。
どこかのプリンセスみたいだぜ。わたしとか、あたしとかにしろよ」
「あたし…?」
何それ。
わたしってなんなの?
わたくしの省略?全然しっくりこない…
「わたしの方が君には合うけどね!」
「じゃあわたし!」
ルジルは立ち上がると何か飲み物を買いに行った。
「パンプはコーヒーがすきなんだ。しぶいよな、まだまだ若いに!」
コーヒー?
マメを引かないの?
あ!
「いんすたんとこーひー?」
「ああ、そうだ。でもなんでいんすたんとこーひー?インスタントコーヒーだぜ?」