「やめろやめろ!箱入り娘!とんでもないな、ワルツの次は何語の歌だよ!
ママが泣いてるんじゃないのかい?!どうしてライラに着たんだ」

 「私、本当は着たくなんかなかったわ。でもパパが…」

 「パパぁ?」




パパってどんな親父さんだよ!


小娘一人ライラにこかせやがって!


普通に親も一緒に来いよ!
そしてなんで俺の家に…

 「お父様がここにお前を着させたのか?!」



コクコクと大げさに首を振る娘。


まっかな顔して…

なんか隠さないといけない事があるのかよ!


 「とんでもない親だ、非常識だ!」

 「パパはいい人よ!」

 「ど・こ・がぁ?!」


小娘一人ライラに来させる親のどこが優しい?いい?



 「パパはその…ほっ…ホテル会社の社長なの!でも経営上、大変で…金が足りないの。
だから私がライラに来なきゃいけなくなったのよ」


ふーん。

歌手で


金稼ごうってか。


 そこまで人生甘くないさ。


 「人生は絶望と妥協に満ち溢れてるさ」



何事も




成功すると思ってたあの子どもの頃がなつかしい




曲を毎日100曲は作ってたあの毎日がなつかしい。


でも



思い知ったんだ。




人生は甘くないって。