キーーーーーーン



ゴォォォォ




貸切の飛行機。


外を見ようにもマロンがカーテンをしめて、見えるのは目の前のグレーの座席だけ。

聞こえるのはエンジン音。

面白いものなど、なにもなかった。



――――――



 …ガガガッ


―えー…。こちらラジオから王女の様子をお伝えします。
空港からの中継です。
王女、ラヴ・アリーナ様が今日の午前10時にここに到着なさると…あ!

王女様の姿が今お見えになりました!

えぇー。手をお振りになられています。

天使のような微笑を振りまき、今飛行機を降りました!
本当、美しいですね…。こんな美少女、見たことありませんん。

 王女様はこの後、記者会見を―ブッ


 「ハハハ!やっとついたか。私の未来の娘」

 「まあ、エドワルド様。気が早いですよ」

―――トントン―――

 「エドワルド様。そろそろ大公女ラヴ様のお迎えにー…」

 「そうだな。記者会見が終わる前に大公女を連れ出さねば、追われてしまうからね」