わっかのドレス

小さなヒール

クルクルと巻かれた長い黄金の髪

キラキラ光るダイヤモンドが約1000粒ついたの銀のティアラ

腕にさげた舞台手帳

長い手袋

真っ白なデコルテ

パッチリした瞳

雪にように美しい肌ー…




考えが古く、何もかも堅苦しいこの国には





私が自由になる事なんてこと、一生ない。


 「おはようございます、王女様」

 「おはようございます。朝食は何になさいますか?」




 自由のない国

政治はすべて年をとったおじさんがやっていて



みんな束縛されてる。





 ここは、小さな国リナス王国。

かつては自由で、花が美しい場所と言われていた。



でも今ではー…

何もかも堅苦しくて“自由”の文字も出てこない。

花もない。
あるのは雑草。


パーティーでも食べ物は手をつけず、ただワインを飲むだけ。
そう法律で決められている。

 食べ物は飾りだ。
命を奪ってまで作られた食べ物は、いずれゴミと化す。



しかも私はたった一人の王位継承者とあってかなり有名。


 ベッドもとっても大きくて…

とても眠れやしない。

 「王女様、今日は世界の中心国へと行くのですよ?王女様?聞いてますか?

 ついたらすぐに会見があります。
…着替えは早くしてくださいね。飛行機の時間に間に合わなくなりますから」


・・・分かってる。

 「ラヴ様?聞こえてますの?」

 「マダム・マロン。もうよろしいので、早く他の予定を」