紅い涙

「…やっぱりね」


ふいに、姫野さんが呟いた。


…やっぱり?
どういうこと?


パンクしそうな頭に、さらに星歌の事への疑惑が蓄積される。


「…その顔は、どうして?って顔ね…。いいわ、教えてあげる…私達の予想」


姫野さんはそう言うと、指で廊下を指した。
人気の無い所で話すというサインだと諭し、素直に従う。

向かった先は、新校舎とは対照的に、静まり返っている旧校舎の廊下。
ほぼ物置状態で、薄暗く、気味が悪い。

しかし、これからの会話が、この不気味な場所に妙にマッチしていると直感した。

姫野さんは、周りに人が居ない事を確認すると、そこら辺にある段ボールに腰掛け、口を割った。

これからどんな話が始まるんだろうという恐怖感と、奇妙な期待から、手の平に汗が滲み出てきた。


「…下咲さん、これから言う話は、私達の勘なんだけど、星歌を殺した奴は、女だと思うの……」


えー…。
おん…な……?