「…一つ目は、両者とも自分の自慢とする部位を奪われているという事……」


自慢とする部位…。
確かに、前川さんの鼻は誰もが認める程整っていた。
しかし、星歌…。
星歌の右腕も、確かに白くて細くてとても綺麗だった。

でも、だったら…。


「どうして犯人は、星歌の両腕を奪わなかったの…?」


その時、頭の中で、何かがひらめいた。


「……!そっか、火傷!!」


火傷があるから、犯人は星歌の右腕しか奪わなかった!


「…そう。さっき、傷の事を聞いたのはその核心が欲しかったからよ。……そして、二つ目は……」


そう言いながら、姫野さんが一枚の薄紙を取り出した。

少し身を乗り出してその紙を見ると、そこにはパソコンで打ったと思われる字で、一言。

“ちょうだい”

と、記されていた。


「この手紙は、死の数日前に二人に届いてるの…」


姫野さんが、淡々と説明を口にする。


「…ちょうだい?ちょうだいって何を!?……まさかっ!!」


星歌…右腕切断。
前川…鼻を削り落とされる。