「…どう、して……?」


私が尋ねると、次は野江田さんが赤い綺麗な口を開いた。


「…今から二年前、この町で女子中学生が殺害された事件を、ご存知ですか?」


「…うん。知ってる」


知ってるもなにも、その子は私のクラスメートだった。
鼻が高く、ハーフ顔だったので、男子の注目の的だった彼女。
名前は…確か、前川 静流。

前川さんは、部活の帰り道、人気の無い公園の奥で刃物で殺され、還らぬ人となった。
彼女の自慢の、鼻を刃物で剃り落とされて……。


「悲しい事件だったわよね。そしてその事件は、今回起きた事件との共通点が二つある…!」


姫野さんの言葉に、過去へと飛んでいた意識が現在へと戻る。


「共通点って…!?何なの!?!?」


ゴクリと生唾を飲み込む音が、廊下に響く。
すると、姫野さんは長い脚を組み、大きく息を吐いた。