ひろの動きが止まった。
そんなに衝撃的だった?
俺の言葉は。
「だから、俺には分かるよ。
ひろのキモチ。」
本当はよくないよ、相手に恋人がいる、なんてこと。
それは自分の恋が叶うことはない、ってことなんだから。
それに相手を想い続けることは辛いよ。
現に俺は辛くて辛くて仕方がない。
こうして失恋したひろを見ていると俺の胸は言葉じゃ言い表せないぐらい、痛いんだ。
「もう…やめて。
お願いだから…それ以上、何も言わないで…っ!!」
ひろは俺を睨んだ。
いつものように、と言いたいところだが
ひろはいつもの顔をしていなかった。
だって目のふちに
今にも溢れ出してしまいそうな涙が溜まっていたんだから。


