不器用なカノジョ。






「…ホントに?冗談でしょ?」


「いや、ホントだって。」


「絶対ウソだよー!」


「疑い過ぎ。俺だってたまには本当のこと言うんだからなー」


笑い声で目が覚めた俺。

そして聞こえてきたのはこんな会話。


寝たおかげかだいぶ、頭スッキリした。

だけどまだ、少し体がダルい。



「そう言えば、今あそこにいるのって俊輔?」


「ん?そうだよ。

彼、38度も熱があったんだよ」


「…そうなんだ」


俺は起きたことを悟られないように、

静かに呼吸を繰り返す。



「ね、キョンちゃん」


「ん?」


「俊輔から聞いたんでしょ?」


「何を?」


「その…私が疲れる、って言ったこと」


「…ああ、聞いた」


「違うの。

そういう意味じゃないの」


俺の鼓動がドクドクと波打っていた。

自分の心臓の音が耳に響いて余計に、鼓動の速さが増した。



「疲れる、っていうのは…ね?

緊張…するから疲れる、ってことなの」