「…ひーろっ!」


図書室のドアを開けてまずは叫ぶ。

だけど、反応はナシ。


あれ?俺、無視されてる?

そう思ってひろの姿をじっと見ると


「なんだよ…」


イヤフォンを耳に突っ込んで音楽を聞いていた。


そりゃあ俺の声も聞こえないはずだ。



仕方なく、ひろの正面の席に何食わぬ顔で座った。

そうするとひろの目が大きく開かれ、次の瞬間には溜め息。



「何か用?」


「いや、1人じゃ寂しいかなーって思って」


「そう。

それなら余計なお世話ね。


十分、1人の世界を楽しんでたの」


まったく。

いつだって警戒心むき出しなんだから。


少しくらい、肩の力抜けばいいのに。