不器用なカノジョ。





「なあ、俊輔」


「んだよ?」


慎太郎と純が連れションに行くと健が


「もしかしてさ、図書室行ってた?」

と、聞いてきた。



「…どこだっていいだろ。

お前には関係ない」


そう言っているのに


「千尋、図書室にいたんだろ?」


と、構わず健が言う。



「ああ、いたよ。

それが問題あるか?」


「俺、言ったよな。


千尋に手ぇ出すな、って」


ああ、そんなこと言われたっけ。



「健。俺にライバル意識燃やすのは勝手だけどさ。

俺より強力なライバル…いるぞ」


「はあ?何言ってんだよ?」


「信じるか信じないかはお前次第だ。

だけど俺は、そいつに…勝てる気がしなかった」


顔を上げると、健が俺の顔を見て驚いていた。

それもそうだろう。

相変わらず、酷い顔してるんだろうし。



「それ…誰だよ?」


「新田京太。

通称…キョンちゃん」