「で、何が聞きたいの?」
「聞いたら答え、ちゃんとくれる?」
「質問の内容によるわね」
じゃあ、きっと、俺が今から聞くことの答え、もらえないんだろうな。
そう思いながら疑問を口にする。
「全部で2つあるんだけど」
「1つにしてくれない?」
「ヤだ」
当たり前のようにひろに睨まれたけど、構わず続けた。
「まず1つ。
健をフったのはひろみたいだけど、
なんで別れたの?」
「…これといって理由なんてない」
相変わらずひろは無表情で。
これじゃあ、表情から心の中、読むことさえできないじゃないか。
「じゃあ、2つめ。
ひろ…健のこと、スキだった?」
ひろが一瞬だけ、目を見開いた。
だけど、すぐにいつもの顔に戻って。
「スキじゃなきゃ、付き合ったりしない」
と、言う。
ウソだ。
それはウソだな、ひろ。
お前が俺のウソを見破れるように
俺だってひろのウソくらい、見破れるんだから。
「違うだろ。
そのスキは、友達として好き、ってことだろ?」


