「千尋?電話、なんだったの?」


子機をもとの場所に戻す。

でもお母さんの質問には答えなかった。



「ってあんた、どっか行くの?!」


「病院」


「はあ?病院?!」


携帯だけ持って私は家を飛び出した。



自転車に飛び乗る。


さっきのキョンちゃんの言葉が頭の中に響いていた。



『俊輔が…事故にあった』