ひろの先輩たちにお礼を言って俺はグラウンドに降りるための階段に座った。


ウソ…だろ。

ひろが一回戦で負けるなんて。


高校入学してから負けなしだったあのひろが。


ケータイを開くが相変わらず、ひろからの返信はない。

多分…相当落ち込んでるんだろうな。


ひろだって優勝する気満々だっただろうし。


朝のひろの姿を思い出す。


ひろ…大丈夫かな…

泣いて…ないかな…



「…俊輔?」


「あ…どうも」


後ろから声をかけられる。

そこにはキョンちゃんがいて。



「今から帰るところっすか?」


「うん、そう」


そう答えながらキョンちゃんはなぜか俺の横に腰をおろした。



「千尋のこと、聞いた?」


「一回戦で負けた、って…」


「俺、見てたんだ。

千尋、かなりショック受けてた」



やっぱり…

ひろ、ああ見えてすっげー打たれ弱いもんな。


多分、今頃…泣いてる。