「うわぁー…もうこんな時間かよ…」
「え?なんか用事でもあった?」
健が不思議顔で聞いてくる。
今は練習試合を終え、片づけをしているところだ。
「いやあ…ひろの試合、もうとっくの昔に終わってるんだろうなあ、って」
「ああ、そういうことな」
なんせ只今の時刻、5時過ぎだ。
だいたい今日、2試合もやったからいけないんだ。
今日の練習試合は3つの学校が集まって総当たりで試合をやった。
自分たちの試合が2試合。
1試合観戦。
計3試合だ。
これでも早く帰れるほうかもしれない。
「まあ仕方ないだろ。
っていうか連絡すればいいじゃん。
前に教えただろ、千尋の連絡先」
「あ、そっか。
その手があった!」
「おーい!早くしろよ、お前らぁ~」
「あ、悪いっ!!」
純に急かされ慌てて荷物を片づけるとバスに乗り込んだ。