「お疲れー!お疲れ!お疲れちゃーん!」


ひろたちと別れ、教室に戻るとクラス中がこんなテンションだった。

どれだけお疲れ、と言えば気が済むんだ、バカ野郎。



「あ、お前ら抜け駆けなんてヒドイだろ!」


「抜け駆けってなんの話だよ?」


さっそく絡まれる俺と慎太郎。

もちろん、相手は純だ。

その後ろにはちゃっかり健もいる。



「だって、カワイイ女の子2人連れて4人仲良く学祭楽しんでただろー?

俺と健なんて男2人で、だぞ。


この差はいったいなんなんだよ!」


そんなの、分かり切ってんだろ。



「教えてやるよ、純。

その差はここの差だろ」


俺はニヤッと笑いながら自分の顔を指さす。



「…?!

うわー…ドン引きだわー


自分のことカッコイイとかどんだけナルシストなんだよー」


シラけた目をする純。


なんとでも言えばいい。

結局それは負け犬の遠吠え、ってやつだぞ。


…あ、こんな難しいこと言っても頭の悪い純には分かんねーか。