「でも、ホントに助かった。
ひろの声が耳に届いた瞬間にさ、すっげぇー勇気出たんだ。
だから、三振にできたんだと思う。
ちゃんとお礼言いたかったから、ここに来たんだ」
「…バカじゃないの」
ひろはなぜか溜め息をつく。
「私のおかげじゃないでしょ。
…俊輔が、頑張った結果じゃない」
一瞬だけ俺を見たひろは目を伏せる。
「…ね、ひろ」
「何よ?」
「抱きしめて、いい?」
ポカン顔のひろ。
でもすぐに
「はあ?!バッカじゃないの!?
いいワケないでしょうが!!」
と、怒りだした。
「怒るなよ。
だいたい、ひろがいけないんだろ。」
「何もいけなくないわよ!」
「いや、ひろがいけない。
あんな可愛い顔して、可愛いこと言うから。
だから抱きしめたくなるんだよ」
照れたように頬をピンク色に染めてあんなこと言われたら誰だって『キュン』とする。
『キュン』としたら抱きしめたくもなるだろ?
だから、俺は何も間違ってない。…と、思う。
