「純!悪かったな!

今日のヒーローインタビューとMVP、俺がもらった!」


純に人差し指を向けてニッと笑う。



「バーカ!

んなもん、ねーよ!」


あれ?これ、さっきまで逆だったような…



「お前ら、2人ともバカだな」


健が涼しい顔で俺たちを見下ろす。

ちくしょう!

お前、ムダに背ぇ高いんだよ!!



「なんだとぉ!?

1番、ヒーローインタビューとMVPから遠いの、お前なんだからな!」

純が健を見て得意そうに笑う。



「なんでだよ!?

俺のヒットのおかげで同点になったんだぞ?」


「何がヒットだ!

あんなの相手のミスだろーが!


それより俺様の走りだろ!」


「はあ?!あれはああなることを計算して打ったんだよ!

俺様って誰様だよ!?」


…ああ、ダメだ、コイツら。

全然分かってない。



「なあ、誰のおかげで勝てたと思ってんの?」


「え?俺」

と、純」


「バカ!俺に決まってんだろ!」

と、健


はあ、と溜め息をついた俺は言う。


「健でも純でもない。

…この俺のおかげだ」