不器用なカノジョ。






だが、バットに当たったボールは高く上にあがる。

今日は日差しが強い。


ボールと太陽がダブって一瞬、どこにいったか見失った。



「走れ!走れ!健!純っ!!」


限界の声で叫んだ。


落ちろ…

落ちろ……

落ちろーっ!!!!


セカンドがゆっくり下がり、

ライトはゆっくり前に出てくる。



「…落ちろおぉぉおぉおおー!!!」


ボールがスローモーションのように落ちてくるのが見えた。

そしてそのボールは…










…落ちた。



地面に、だ。

理由は簡単。


セカンドとライトがぶつかってボールを見失ったのだ。


ラッキー


これ以外の何ものでもない。



きてる。


俺たちに、波が来てる!