慎太郎の言葉で辺りを見回すと
「うわぁ…マジだ」
教室中から視線が送られていた。
「お前がうるさいからだ、慎太郎」
「いや!確実に俊輔がうるさいからだろ!
お前はハスキーボイスのくせに響くんだ!」
「誉めてんのか貶(ケナ)してんのかどっちだよ!」
って俺ら、また…うるせぇーし。
「もういい。
十分、分かった。
俺と慎太郎は友だちになる」
「はぁ?なんだよ、その宣言!
俊輔、バカだろ!」
慎太郎はそう言ってケラケラ笑っている。
いいよ、笑えよ、慎太郎。
でもな、俺の言ったことは絶対だぞ。
会って数分しか経ってないのに
こんなに言い合える、ってことは認めたくないし、なんか恥ずかしいけど、
俺と慎太郎の波長が合う、ってことだ。
そうなると友だちになる…以外の選択肢はないだろ?
「これから…長い付き合いになりそうな慎太郎くん。
よろしくな。」
俺は半ニヤけ顔で手を差し出した。
どうやら俺の友だち制作は順調に進んでいるようだ。


