白は花嫁の色


太陽の明かりに負けない漆黒の髪。シャンデリアの光りに屈さない漆黒の髪。

それが王子様の資格――?

ドキドキとしたままの俺に、姉ちゃんは「雅は?モテるよね?かわいいとかっこいい」と言う。

「俺、かっこいい?」
「うん!どんどんかっこよくなるね!」


…満面の笑顔でかっこいいだなんて皮肉だ。

まだ幼稚な俺は、駆け引きなんかできない。

自分の黒い髪を右手で撫でた。サラサラとした姉ちゃんによく似た髪質の…


――好きだ。好きだ。
早く受験が終わればいい。早く告白したい。



「みぃーつけたあーっって!お姉!?」

長いまつ毛の一本一本確認できる距離の、二人だけの大人な世界に、子供の茜が現れた。


「見つかったー、じゃあ鬼は実な?」


―――この時の俺は知らなかった。



まことの気持ちを伝えることが出来なくなるなんて…

――…思いもしなかったんだ。