白は花嫁の色

――

「…ん、」

目を覚ましたら視界には教科書ノート、藁半紙。…どうやら昨夜あのまま寝ていたみたいだ。

タオルケットが肩に乗っかっていて、姉ちゃんだとすぐに分かった。

時計はちょうどてっぺんを過ぎたあたり……十二時だなんてかなり寝ていたらしい。


おもむろに部屋を見渡すと、布団に丸まって眠る姉ちゃんが床に居た。

(朝夜逆転生活の姉ちゃんは、土日は俺の部屋で昼過ぎまで寝る)


息に合わせて肩が上下し、布団が僅かに動く。畳みの上に不釣り合いな天使。


目を瞑っている姉ちゃんは長いまつ毛がくるんとしていて、何より美しくて――…


俺は時々この綺麗な姉ちゃんを汚したくなる。よこしまな感情が芽生えるんだ。


例えばもし俺が今、布団を剥いだらどうだ……?

…なんて、白い人を目の前にして、黒い気持ちが暴れ出す。