白は花嫁の色



風呂から出たら姉ちゃんが「今日はからあげにしたよ」と、微笑んで手招きした。

泣きたくて、痛くて、食欲なんてない…だから「いらない」と言いたかった。

けれど姉ちゃんが気にしたらいけないから、言えなかった。


白いワンピースを着た姉ちゃんはより一層美人だ。モデルみたいに可愛くて見惚れてしまう。

……俺だけを見て欲しいのに。


本当の本当はバスケを好きじゃない。プレイ中に特別楽しいとも思わない。

…姉ちゃんに褒められたくて始めただけだから、全然楽しくない。

だけど姉ちゃんが喜ぶなら楽しい。



からあげと野菜炒め。

家族全員で食卓を囲うのは久々だが、食べる気にならなかった。

お腹はぺこぺこのはずなのに。


実が元気そうにご飯を食べるだけで腹が立つ。憎くてたまらない。

いつも大袈裟にする奴なだけだ。


そう、実が過剰な甘えたなことなんて、分かりきったことではないか。

だったら姉ちゃんも、今日くらい実をほったかしたっていいじゃないか。

だって今日約束したのは実ではなく俺なんだから。


――ふつふつと腹の中に溜まるのは醜い感情。