白は花嫁の色



「すごいな市井!」「ベストじゃね?!うらやますぎ」「さすが得点王!!」「やったな、推薦まじ安泰だろ」


ベストより5点多く出せた。
チームに貢献できた。

…勝った。
…褒められた。

…みんな笑顔だ。



けど―――



ちっとも嬉しくない、笑えない。

虚しさだけが襲う。
心ん中がからっぽだ。

肝心な部分がからっぽだ。



試合が終わっても、西側の角には黄色いタオルがあるだけなのは何故。

まるで、俺の気持ちみたいだ。

――姉ちゃんに拾ってもらえない恋心。




唇を噛んだ。



歓声とボールの音と靴音が混じり合って、体育館は揺れていた。

他校の試合も見なければいけない。参考になる部分を盗まなければいけない。


けれど――

頭ん中は茹だる暑さにやられたのか、ぼんやりとしていた。





いつの間にか太陽が傾き、空気が真っ赤なオレンジ色になっていた。

黒い影が床を覆い尽くしていく――