陰で“炊き出し”だと言われてるのは知っていた。
パン屋からパンの耳、魚屋からは粗、八百屋からは傷み物。……貰っていたから。
親切な個人店の人が、姉ちゃんにならってくれていたんだ。
姉ちゃんだからこそ、よくしてくれてるんだ。
あの女共が行ったってくれねぇよ!!
――俺らの為なのに。
本当の本当に恥ずかしいのは姉ちゃんなのに、俺が姉ちゃんを恥ずかしいって思った。
……思ったりなんかしたら絶対ダメなのに。
“シャー芯”って、満足に食事も摂れてないんだから細いに決まってる。
あんな奴らに笑われるような姉ちゃんじゃないんだ!!
……なのに、俺、隠そうとした。
姉ちゃんのこと、見られたくなかった。
知られたくなかった。
久保もっ、相坂…友達の前だから、それで……すっげぇ嫌だった。
だって…。
だって嫌だったんだ。
―――だって。



