「っなんで!!声かけんだよ!?!?恥ずかしいだろう!!何やってんだよ姉ちゃん!!俺の気持ちも考えてくれよ!!っっさいあくだ!!最悪だ!!っなんでっ本当なんで!!最悪だ!!最っ悪だ!!」 怒鳴っていた。 幼稚園児にだって分かる。 家庭的な商店街に怒鳴り声が似合わないと―― 姉ちゃんの目がまん丸に見開かれ、俺がその中に居る。 寂しそうな目をした姉ちゃんの手にある忌々しいもの。