手が震え、胸の奥が熱い、泣きそうだ。
姉ちゃん…姉ちゃんが。
あんな嫌な金の欲しがり方をしたのに、遠まわしに責めるようにして言ったのに、
――卑怯に傷つけたのに。
どうしよう、俺……
やっぱり、姉ちゃんがいい。
姉ちゃんみたいな女じゃなきゃ無理だ。――シスコンでいい。
クラスの女子なんか何も思わねぇ。姉ちゃんしか見えないよ。
「金あるじゃん!遊ぼうぜ」笑う相坂。
「たまにはいいんじゃね?」伺う久保。
二度頷く。
一気に浮き足立った。何気に街中で遊ぶのは中学になって初めてだ。
――ありがとう、と。
―――心の中で呟いた
お金が嬉しいのもあるけれど、違う。姉ちゃんの優しさが嬉しいんだ。
―――俺は幸せ者だ。
キラキラした太陽の粒が、すべての輪郭をワントーン明るく色付ける。
晴れた青い空には、まんべんなく白い雲が泳いでいた。



