「なんだよ市井!三千円もあるじゃねぇか」「俺二千円ぎりだぞ?」
「……え?」
さんぜんえん…?
ゆっくりと財布の中を覗けば、千円札が三枚。確かに三千円ある。
…なんで?
小銭しかなかったはずだ。しかも二百八十円だったはず。
「え、ちがっ、これ俺知ら……」
本当に金か?恐る恐る右手で掴んだ紙は確かに千円札だ。
何か、…クリップにメモが挟まっている。
その字を読まなくとも、字面を見ただけで泣きそうになる。泣きたくなる。
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雅★ 今月からおこづかいあげるね
中三だもんね!!
遊んできてね!! 忍★
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―――姉ちゃんの、字。



