俺の秘密は忍を好きなこと。

嬉しい毎日をぬくぬくと平凡に過ごしていた自分はバカでした。


あなたとバージンロードを歩けないなんて寂しい手です。あなたとの永遠を誓う指輪ができない手だなんて…

真の気持ちを隠すことで、まだ子供だという事実から逃げていたのでしょう。


けれど幸せだったんです。

昼間の賑わう町とは違う月明かりの下の静かな町を歩きながら、

あなたが『雅』と名前を呼んでくれたら、

それだけで理想の世界だったんです。



あなたを幸せにしたいという大切な願いがずっとありました。

いつの日かもしも、あなたの幸せが“俺との未来”になる日が来ればと、願っていました。


王子様になる時間が待ちきれなくて、魔法使いになって、

王子様の一夜を過ごせたら…と夢を見たこともありました。


お姫様のあなたには、れんげの冠よりも本物のティアラがよく似合っていました。
……れんげの花言葉を知っていますか?

忍を幸せにしたい、長年の望みが叶いました。


俺はユートピアンです。
未来に希望…あなたとの未来がなくとも、頭の中で魔法を使って頑張れます。

受験を頑張って、高校生活に希望を持つように…。


俺は忍が大好きです。
愛しています。

辛くなったら思い出します。
あなたとあなたの好きな人がともした光、メインキャンドルを。



王子様になりたい俺の夢――あなたが生き甲斐でした。