俺はあなたを好きでなくなる自分が想像できないのです。

あなたがいない世界で生きていく意味を見つける自信がないのです。


…そんな俺をあなたは望まないでしょう。分かっています。


……


「雅も幸せになってね」


白いウエディングドレスを着て、言う。

幸せな笑みを浮かべ、愛しい人に寄り添い俺に言う。

「姉ちゃん…」
ねえちゃんという音は俺の恋心を呪う音。


「雅、ありがとうね、私…幸せ」

白いウエディングドレスは綺麗で。姉ちゃんが綺麗で。


「姉ちゃんこれ、お祝い」

丸い目に俺を映す。もう一生俺は弟とでしかその瞳には映らない。



「誕生日おめでとう。遅くなったけど」