姉ちゃんが幸せになってくれるなら俺は幸せだ。
ずっと前から変わらない本心。
だけど、だけど、好きな気持ちは簡単になくならない。
渡せなかったプレゼント。
姉ちゃんの首には綺麗なネックレスがあって、指には綺麗な指輪があって。
必要ないんだ。俺の愛情が篭ったプレゼントなんて。
ああ、だめだなあ、涙が出る。
琴さんに言ったことも想ったことも、父さんに言ったことも想ったことも、
姉ちゃんに言わなかったことも想ったことも、嘘じゃない、真実だ。
だけど、ただの願いだ。
俺はまだ子供だから、好きな気持ちを簡単に無くせない。
だって―――ずっとずっと俺は姉ちゃんが好きで、姉ちゃんが俺のすべてだったんだ。
人生と呼べる程 重みのない俺の薄っぺらい人生。
――姉ちゃんが好き、それだけだった。



