白は花嫁の色


本当はずっと前から知っていたんだ。


―――あの時の結城の感謝祭。


きらびやかな人たちの中、なぜか下請けの工場長の家族も招待されて浮いているも参加した。

(今思うと、それは経営陣からのサヨナラ、最後の記念として招いたつもりだったのだろう。円滑に提携を切る目的…)



美味しい料理を前に俺と姉ちゃんは終始ご機嫌だった。

しばらくすると、中央のテーブルにケーキが出されて、それを姉ちゃんが取りに行ってくれたんだ。

丸い皿に品なく盛りつけられたケーキ。


――俺に渡す寸前で姉ちゃんは皿を落として、周りから野次られてしまって…

…姉ちゃんは会場から飛び出して行ったんだ。


ちゃんと皿を受け取れなかった俺のせいだったから、急いで姉ちゃんを追いかけたんだ。





今でもこんなにも鮮明に覚えている。

記憶力が憎いと思ったのは初めてだ――…