白は花嫁の色


「姉ちゃんは俺の初恋だから、泣かしたら許さない」

驚いた顔をする結城を更に驚かせるだろうことを口にした。


「俺だけ違うんだよね、俺はこの市井家とは一人だけ他人」

さらりと言うと、今度は眉を垂らし分かりやすい程 結城は動揺した表情になった。


どうやら姉ちゃんは俺を永遠に弟にしてくれたらしい。

結城が知らないと言うことは、姉ちゃんが言う必要もないくらい俺を“弟”で居させてくれるということ。


俺は恋人になりたかったけれど――…彼女はそれを一ミリも望んでいやしなかった。


痛む胸に気付かないふりをして続けた。

「この工場で働いてたろくでなしの母親は、よくある話。ある日突然 蒸発して。

まあこの家に、八歳?それさえあんまり……下の兄弟は知らない。

姉ちゃんは俺のこと本当の家族にしてくれた。だから俺は姉ちゃんが大好きなんだ」


「雅くん?」


男女の告白ではなく、家族愛の告白にすり替えた……

このくらいの意地悪は許してくれ。




―――結城に姉ちゃんを……守ってほしい。

そう誓えたらいい。